公開日:2015/12/29
最終更新日:2022/01/06
年を重ねるにつれて手元が見づらくなったり、遠ざけないと物が見えなくなるといった経験はありませんか。もしかしたら、それは老眼の始まりなのかもしれません。
年を重ねると目のピント調節機能が衰え、どんどん近くのものが見えづらくなってくるんです。一般的に老眼は40代辺りから始まり、60代で終了すると言われています。その約20年の間は老眼の矯正が必要となります。
そんな時には遠近両用コンタクトレンズがオススメです。
遠近両用コンタクトレンズで近くも遠くも見える仕組み
遠近両用コンタクトレンズには、近くを見るための度数から遠くを見るための度数までが1枚のレンズに入っているコンタクトレンズです。1つのレンズに2つの度数が入っているため、近くの見づらさをコンタクトレンズで改善する事が可能になります。
どうして近くも遠くも見えるようになるのかというと、脳が2つの度数を使い分けているためです。遠近両用コンタクトレンズを使うと、1つのレンズに近く用と遠く用の2つのレンズが入っているため、近くも遠くもピントが合っている状態になります。
しかし、見え方に慣れてくると、脳が距離に応じて最適な視界を選ぶようになります。そのため、特に視線などを変えずに近くも遠くも見えるようになるというわけです。
遠近両用コンタクトレンズのレンズの構造
近くを見るための度数と遠くを見るための度数は、1つのレンズの中に、円状に配置されています。遠近両用コンタクトレンズの多くが、中心から周辺に向かって徐々に度数が変わってい「マルチフォーカル」と呼ばれる構造を採用しているメーカーが多いです。
度数が徐々に変わっていく構造にすることにより、中間の距離でも脳が最適な視界を選択できるようになります。そうすることで、遠くから近くへ、近くから遠くへという度数の移行がスムーズにでき、疲れを感じにくくなるというわけです。
近くでも遠くでも、常にまっすぐ見ていればピントが合うので、メガネのように見る距離によって角度を変える必要もありません。
老眼になりやすい40~60代でもコンタクトを使うことができる?
老眼を発症し始めるのは、40代を過ぎたあたりからです。「40代を過ぎた今更コンタクトレンズを使えるの?」と思う方もいるかもしれません。老眼の矯正にコンタクトレンズは非常にオススメです。
近視や遠視、乱視があっても、遠近両用コンタクトレンズをすることで老眼と一緒に矯正することが可能です。わざわざメガネを付け替える必要がありません。
また、スポーツなどの趣味をより楽しみやすくなりますよ。メガネの場合、スポーツなど体を動かしていると、外れてしまったり、ズレてしまったりすることがあります。その場合、意識がメガネに行ってしまい、煩わしく感じて楽しめないことはありませんか?コンタクトレンズなら激しく動いてもメガネのように外れたり、ズレたりすることが少ないです。そのため、気にすることなく思い切り体を動かすことができますよ。
40代からコンタクトレンズを使う時の注意点
40代を過ぎてのコンタクトレンズの使用には注意が必要です。年齢を重ねると、目の表面にある「角膜内皮細胞」と呼ばれる細胞が減少してしまいます。この細胞は、コンタクトレンズを付けることで起こる目の酸素不足でも減少してしまいます。この細胞が減少すると、目の手術が受けられない、角膜の透明性が保てないなどのトラブルが起こる可能性があります。
涙の分泌量の減少にも注意が必要です。加齢と共に涙の分泌量は少なくなっていきます。コンタクトは涙の上に浮いている状態です。そのため、涙が不足すると、ドライアイになってしまう可能性があります。ドライアイが進行すると、角膜障害を引き起こすこともあるので、コンタクトレンズを使うことができなくなります。
遠近両用コンタクトレンズのメリットとデメリットは?
【メリット】
・老眼鏡のようにつけたり外したりしなくて済む
・メガネをしなくて済むのでメイクがしやすい
・運動する時に便利
【デメリット】
・乱視が強すぎると遠近両用コンタクトレンズが使えない場合がある
・つけ心地や見え方に慣れるまで時間がかかる
・目のトラブルに繋がる可能性がある
遠近両用コンタクトレンズの特徴やメリットデメリットを紹介してきました。1枚で様々な距離が見えるようになる分、最初は慣れるまでに時間がかかるかもしれません。まずは1回試してみて、どれだけ老眼を矯正出来るのか、その効果を実感してみてください。手元が見やすくなると、生活がかなり快適になるはずですよ。