公開日:2020/04/06
最終更新日:2021/11/22
「このコンタクト、使ってみたいなぁ…」と思ったら、あなたはまずどんな行動をとりますか? その製品について検索をしてみて、どんなコンタクトであるか情報を集める方がほとんどなのではないでしょうか。
ですが、製品スペックを表す部分には製品名や度数の範囲をはじめ、BCやベースカーブといった聞きなじみのない言葉が躍ります。
さらに含水率や素材名など、情報量が多すぎて「一体、これはなにを示しているのやら…?」と混乱してしまいますよね。
ベースカーブってなに?
A.コンタクトが触れる角膜がどれほど曲がっているかを示す数値
単位はmm(ミリメートル)で、英語ではBase Curveと表記し、頭文字をとってBCと表記されることもあります。
たいていの製品でベースカーブは1種類のみの展開で、多くとも2種類しか展開していない場合がほとんどです。
ベースカーブの数値が大きいほどカーブがゆるく、小さいほどカーブがきつくなっています。
日本人の平均的なBCはいくつ?
A.日本人の平均的なBCは8.6~8.7mmと言われています
欧米の方に比べるとゆるいカーブを描いているのが特徴です。日本人は、欧米の方よりも眼球そのもののサイズが大きいため、ベースカーブの数値も大きくなると考えられています。
しかし、ベースカーブは個人差が大きいので、日本人であっても9.0mmの製品を使う人もいれば、8.4mmの製品を使う人もいます。家族や友人が使っているコンタクトレンズで試着したくなる気持ちもわかりますが、ベースカーブのことを考えると他人のコンタクトレンズを貰ったり、使い回したりすることはおすすめできません。
ベースカーブが合わないとどうなるの?
A.目の中に違和感が残ります。
小さ過ぎると瞳が締めつけられるような感覚になり、目が疲れやすくなったり、角膜が傷つけられてしまう恐れもあります。反対に大き過ぎると目の上でズレやすくなってしまい、見え方に大きな影響を及ぼします。
ベースカーブを測るには?
A.眼科で計測してもらう必要があります
ベースカーブの計測にはレフケラトメーターという機械を使います。顎を乗せて、覗き込んで使うものです。気球や家の絵が表示されます。眼科で使ったことがある人も多いかもしれませんね。
計測中は特別なことをする必要はありません。自動的にぼやけたり、はっきりと見えるようになったりするスライドを眺めているだけで計測は終了します。検査の所要時間は数秒~数十秒で、すぐに終わります。
ベースカーブの計測検査は、瞳に風を当てられることや、何か痛みを感じるようなことはされませんから、リラックスした気持ちで受信しましょう。
「コンタクトを作りたいです」と眼科の受付で伝えれば、ベースカーブの計測を含め、必要な検査を行ってもらえます。
痛みなどはなく、検査そのものはすぐに終わるので、身構えなくて大丈夫ですよ。
しかし、眼科によっては、コンタクトに関する検査や、処方せん発行のみを目的とする受診を断っている場合もあります。事前にコンタクトの検査や処方せん発行のみの利用でも問題ないかを確認するか、コンタクトレンズ専門店に併設・提携している眼科を利用しましょう。
ベースカーブの数値は変化する?
A.ベースカーブの数値が変わることもあります
年を取るにつれ、数値がより小さく、つまり目のカーブがきつくなる方がほとんどです。
こうなる原因のひとつに、近視の進行が挙げられます。
近視が進行すると眼球が突き出てしまいます。
そのため、ベースカーブの数値が小さくなることがあります。近視が進行しすぎるとコンタクトを使えなくなることもあるため、どんなに期間をあけても半年に1回は定期検診へ行くようにしましょう。
カラコンを買う時もベースカーブの確認しないとダメ?
A.カラコンでも必ず確認しましょう
カラコンやサークルレンズは装用時にどういう印象になるかが大事です。実際につけたとき、カラーや着色直径によって印象が大きくかわります。
もちろん、ベースカーブが直接印象を左右するわけではありません。しかし、しっかり目にフィットすることで、適切な位置がカラーリングされ、より自然に着用できます。
たいてい、カラコンのベースカーブは1種類しかありません。カラーと着色直径だけで選んだらベースカーブが全然合わなかったということも多いです。
特に注意が必要なのはベースカーブが大きすぎるカラコンをつけた場合です。
まばたきによってレンズがずれ、色素が視界にかぶる可能性があります。
歩いたり、軽い運動をする程度であれば大きな問題にはならないかもしれませんが、自転車や自動車などを運転している場合には大事故につながる可能性もあります。
はじめてコンタクトを購入するときはまず眼科に行き、必要な検査を受診してから購入するようにしましょう。
BCが合わないと、どんな症状が出るの?
A.目の充血やゴロゴロ感が出ます
またレンズがずれやすいと痒みを生じ易い為、目を擦ってしまい目を傷つけてしまったり、結膜炎のリスクにも繋がります。
目以外にも症状が現れることもあります。
合わないBCは目が疲れやすく、頭痛や吐き気を引き起こす可能性が高まります。もっと怖いのは角膜内皮障害になる可能性がある事です。
この症状はベースカーブがきついことで、目に酸素が十分に行かずに起こってしまいます。
自分にあったBCのコンタクトレンズを身に着ける事がこれらの症状を予防します。
BCの許容範囲ってどれくらいまで?
A.BCは±0.2mm以内であれば許容範囲です
コンタクトに自分のBCにぴったり合うレンズが無い事もありますよね。その時ベースカーブの誤差はどれくらいまでだったら問題なく使えるのでしょうか?
前項でお伝えした通り日本人の平均的なBCは8.6~8.7mmです。ソフトレンズの場合は、多少のサイズのズレがあってもレンズ自体が柔らかく目にフィットしやすく作られている為、問題はあまり感じないと思われます。
一般的にBCは±0.2mm以内であれば許容範囲と言われているので、自分のBCがなくて諦めている人も±0.2mmのベースカーブのレンズも検討候補に入れてみてくださいね。
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